2004 11月号 

プラネット通信

第2回 人生の4大出費   その1・結婚
FP 加藤惠子

 人生には様々なステージがあります。マネープランニングでいえば、お金のかかる場面ということになりますが、ここでは人生において避けては通れない大きな出費を考えてみましょう。
      
<<結婚>>
 結婚に対する考え方は、最近はかなり変化してきているといえるでしょう。結婚は人生の一つの節目ではありますが、今やそのスタイルは様々で多様化しています。「適齢期」という言葉もあまり聞かれなくなり、シングルの割合も増えています。平均初婚年齢で見ると、昭和5年では男性が27.3歳、女性が23.2歳でしたが、平成12年では、男性28.8歳、女性27.0歳と、特に女性でかなり上がっています。又、生涯未婚率(50歳時の未婚率)でみると、男性の未婚率の上昇率が著しく、1975年には2.12%でしたが、2000年には12.57%と25年間で何と約6倍近く高くなっています。特に、東京における生涯未婚率は全国平均より一段と高率で、全国の変化を先取りする形になっています。
 「生き方の多様化」と言ってしまえばそれまでですが、晩婚化・少子化は日本の将来を左右する社会問題でもあります。昨年の合計特殊出生率1.29がこのまま改善されなければ、日本の人口はどんどん減っていくことになり、社会的にはそれなりの対応が迫られることになります。

<結婚によって変わる生活>
 結婚をすることによってひとつの家庭が生まれ、社会における立場も独身期とは違ったものになります。親戚付き合いも増え、それに伴う冠婚葬祭も増えるでしょう。子供が生まれれば、その時から教育資金の準備も始めなければなりません。自分のことだけを考えていればよかった立場から、家族のことを考える立場へ変わっていくことは、精神的にも経済的にもより自立が求められてきます。
 結婚式に関していえば、従来の「型にはまった形式」にとらわれずに行われることも多くなりました。そうなると、当然お金のかけ方も様々です。これが、地味婚・派手婚といわれる所以でしょうか。ただ、セレモニーをどうするかはともかく、新しい生活を始めるためにはそれなりのコストがかかるため、その準備は必要です。そして結婚後は、どのように家計を維持していくか、将来のライフステージのためにその資金をどのように貯めていくかがポイントになってきます。「夫の収入のみで生活する」「夫婦の収入で生活する」「家計は貯蓄優先か、消費優先化か」などでライフプランは違った形になります。大事なことは、できるだけ早い時期に将来を見据えたライフプランを立て、そのための計画的な生活をしていくことです。

<家計の管理者は夫?妻?>
 日本の典型的な家計のタイプは、稼ぎ手の夫から任されたお金を妻が管理するタイプと言われていますが、共働き夫婦の増加で、この家計の形態も多様化しています。夫婦共に定期収入がある世帯の家計タイプとして、妻が常勤世帯では、妻が夫から任されたお金と自分の収入をすべて管理するが約6割、夫婦それぞれの収入の一部を共同のサイフに入れるが約1割で、夫が収入のすべてを妻に渡すのは約5割。妻がパート世帯では、夫から任されたお金を妻が管理するが約9割(夫が収入のすべてを妻に渡すのは3分の2)だそうです。夫の自由になるお金は、どうやら妻の働き方に関係するようですね。

 



 奥様の毎日の暮らしをサポートする耳より情報コーナー       後藤田潤子

 


  災害に備える
 
 

 いまなお余震が続く新潟県中越地震。最大震度7で、10年前の阪神大震災以来の大きな地震となりました。地震は夜間に起こることが多いそうですが、災害はいつ・どこで起こり、またその現場に直面するかわかりません。今回は災害時に必要なものやお役立ちグッズ、その他豆知識をご紹介します。
  • 貴重品
  • ラジオ ・・・新しい情報の入手に必要です。 
  • 懐中電灯・・・電気・ガスといったライフラインが停止する可能性がありますので夜間でも安全に動けるように。
  • 食料・水・・・食料は3日分くらいを目安に。非常用のリュックに入れても、あまりに重いと持てないので、それ以上の食料は冷蔵庫に入れておくと良いです。水も500mlのペットを用意する方が重くなりすぎずオススメ。※毎日、お風呂の残り湯は翌朝まで捨てないようにしておきましょう。 
  • 医薬品・・・常備薬や応急処置ができる程度のもの
  • サランラップ・・・水が出ないと皿を洗ったりできないので皿の上にひいてその上に食品をのせると便利です。また、サランラップは強度が強いので、手を骨折したときなど、包帯がわりに肩から吊るすことができ重宝します。
  • ゴミ袋(ビニール袋・大)・・・肩からはおって風避けにできます。また水かさが増えたときなど、ビニール袋をふくらませると簡単な浮き袋になり、それにつかまりながら非難できます。
  • 家族の写真・・・家族とはぐれた時に、人に尋ねる際に必要です。

◎知っていますか?安否確認伝言ダイヤル171
 これはNTTのサービスですが、災害にあった時171をダイヤルしてあとは音声ガイダンスに従って、自分の電話番号などを入力すればよいというものです。
 今回の新潟県中越地震の被災地の方の中でも、この171を利用した方は5%ほどだったそうです。あまり知られていないのと、年配の方で使い方がよくわからないと敬遠されていたのがこの数字の原因でした。
ぜひ覚えておきましょう。

◎急で手持ちの現金がない場合
 阪神大震災のとき、特別措置で預金通帳や印鑑を持っていなくても本人の拇印で、銀行でお金を下ろすことができました。手持ちの現金がなくてもあきらめずに、まずは銀行へ行ってみましょう。

◎災害に備えて地震保険にも入っておきましょう。
 新潟県中越地震の被災地で、地震保険の加入率は約10%でした。地震保険は火災保険に付帯して加入するもので、火災保険金額の30%〜50%の割合で掛けられます。
 地震による火災の場合は、通常の火災保険では保険金が出ないので、地震保険も付けておいた方がよいでしょう。
 


 


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Last modified 2004.12.6