2005 3月号 

プラネット通信

第6回 ペイオフ解禁   その1
FP 加藤惠子


 当初の予定より実質3年遅れの「ペイオフ全面解禁」が、いよいよ4月1日に予定されていますが、このペイオフ制度とは一体どんな制度なのでしょうか?

 そもそも、日本でこの「ペイオフ」つまり「預金保険制度」ができたのは1971年、今から34年も前のことでした。でも当時は、金融不安など全くなく、銀行が破綻するなどとは誰も想像すらしなかった時代でしたので、ほとんど関心をもたれなかったのではないでしょうか。この預金保険制度が世の中の注目を集めるようになったのは、1996年に政府が「ペイオフ凍結宣言」をしてからです。その前年に大阪にある某金融機関が破綻したのですが、預金総額が少なかったこともあり、国が預金の全額を保護しました。でも政府は、この破綻を氷山の一角であると予想し、金融不安が増大するのを恐れ、翌年、とりあえず今後何があっても預金は国が全額保護をすることを宣言したのです。これが「ペイオフ凍結」で、期限は5年間でした。1995年という年は、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件があった年ですが、4月には80円を切る超円高もあり、経済界も大変な年でした。株のピークが1989年、不動産のピークは1992年、個人の所得のピークは1994年であり、バブル崩壊後、誰の目にも「日本は下り坂」であることが見え出した頃でもあります。そして、思ってもみなかった金融機関の破綻。預金者の動揺はかなりのものであったことは想像に難くありません。
 でも、この時に全額保護された「預金」とは、そして「預金者」とは本当はどういうことなのでしょうか? 金融広報中央委員会が発行している「金融商品の保護」という小冊子の中で「預金者の保護とは」を見ると、

「預金とは、その言葉どおり、金融機関にお金を預けることです。“預かったものはちゃんと返します”という約束を果たすために、金融機関は自らに保険をかけています。
 すなわち、金融機関自身が保険料を払い、自ら破綻した(預金の払い戻しができない状態になった)時には、預金者に対して保険金が直接支払われる、あるいは、預金等を譲り受けた救済機関に対して資金援助が行われ、預金が保護されるようにしているのです。」

とあります。

 では「預金する」ということは、本当に「金融機関にお金を預けること」なのでしょうか? 何かをどこかに預けるには、必ず預かってもらう費用をこちら側で支払います。でも、金融機関に預金すると、私達はその預金に対して利息をもらうことができます。最近はあまり見られませんが、窓口で預金するとティッシュペーパーやメモ帳などの景品をもらえたりもしました。つまり、「預金する」ということは、表向きは「預ける」ことなのかもしれませんが、本当は「金融機関にお金を貸している。その見返りとして利息をもらっている」ことなのです。預金は、「預金等債権」なのです。
 だから、貸している先が破綻したら、貸したものは「戻ってこないかもしれない」と考えるのが自然なのです。でも、ほとんどの人はそう思っていません。銀行も「預かったものはちゃんと返したい」と思っています。だから、せめて少額預金者のためには預金を保護しようと保険をかけているわけで、その保険金が「1000万円プラスその利子」に相当するものなのです。1000万円超の部分は、当然自己責任の部分ということになります。すなわち、これからは「貸したものは返ってこないかもしれない覚悟」が必要であり、そのために、自らの責任で金融機関を選択することが求められる世の中になるということなのです。

 



 奥様の毎日の暮らしをサポートする耳より情報コーナー       後藤田潤子

健康志向

 先日、幕張で開催されたFoodexを訪れました。これは国際食品・飲料展というもので、今年で30回目を迎えます。日本の企業だけでなく世界中の企業が展示ブースを設けて、実際に試食や試飲を行いながら商品の販売促進を目指すものです。ですから、その場で商談もできます。
 一例を挙げると、スペインのブースではワインと生ハムの展示が多く、ワインを1杯飲みながら生ハムを試食できるというものです。台湾のブースでは、ウーロン茶の試飲が圧倒的に多かったです。沢山の人が集まり、国際色あふれる催しでした。

 このFoodex を3年前にも訪れましたが、3年前と比べて大きなちがいを感じました。
 それは、3年前に比べて、明らかに“健康に留意した食品”のブースが増えているということです。よく見かけたのが、ブルーベリージュースの試飲。ブルーベリーはその中の成分であるアントシアニンが目(視力)に良いという効用があるので、そこの部分を強調してブルーベリージュースを勧めているのでした。
 また、アレルギーの人が多い昨今を反映して、アレルギーの人向けに、醤油の原材料に大豆ではなく、代替物を使った醤油がありました。
 他にもオーガニック、無添加といった文字が目立ちました。やはり、世の中全体がスローフード、健康志向であることを反映しているのでしょうか。

 健康志向は食品だけではありません。サプリメント(栄養補助食品)も新聞広告で見ない日はないといって過言ではないほどで、実際によく売れています。
 あるテレビ番組で調査したところ、1ヶ月に8万円もサプリメントに費やしている家庭がありました。また食事を摂らず、サプリメントだけをとりダイエットに励んでいる人がいました。しかし、サプリメントはあくまでも食事でとれないものを補うという栄養補助食品であり、人間は栄養・運動・休息・睡眠というバランスが大切だということを忘れてはいけません。今現在、そういったサプリメントを購入しても、前号で書いた確定申告の医療費控除の項目には含まれません。しかし予防医学が注目されてきているので、いつの日かサプリメントの購入代金も医療費控除の項目に含まれる日がくるかもしれません。そんな日がきても、やはり基本は毎日の食事であることには変わりないし、サプリメントを選ぶときは値段だけで決めたりせずに、周りの人の話や情報を聞いて、安全なものを選んでいただきたいと思います。

 最後に、これはある薬科大学の先生から聞いたお話ですが、花粉症やアレルギーといったものは、全て体内の汚れからきているとのことでした。
 体内の汚れが蓄積してあふれ出したものが、からだの反応としておこっているそうです。
 そう考えると、体にとってプラスであるものを摂取するだけでなく、マイナスとなるものを除去することも必要だといえますね。


 


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Last modified 2005.3.21