2005 12月号 

プラネット通信

第15回 お金を貯める知恵C
FP 加藤惠子


 間接金融の代表意的なものに銀行や郵便局の預貯金がありますが、その種類や特徴は様々です。利率は現在非常に低いので、増やすために利用する商品ではなくなっていますが、その利率が元本に対してどのように付くのか、その結果利息はどのようにもらえるのかは注意が必要です。

 まず、金融商品は利息の付き方(計算方法)によって、大きく「単利商品」と「複利商品」に分けることができます。
例えば、利率が2%の金融商品に100万円預けたとします。
 単利型では・・・毎年2万円の利息がつきます。1年目は102万円、2年目は104万円で3年目は106万円というように増えていきます。
 複利型では・・・1年複利型であれば、1年目は単利型と同じように2万円の利息がつきますが、2年目は、1年目の利息額2万円が元本に加えられ、102万円が新たな元本になります。2年目の利息は、102万円×2%となるので2万400円になります。更に、次の年はこの2万400円が102万円に足され104万円400円が元本になり、利息が計算されます。104万400円×2%=2万808円なので、3年間で106万1208円になります。

 このように、単利型と複利型では複利型の方が増え方が大きいことがおわかりいただけるかと思います。複利型にも、上記の1年複利の他に、半年複利、1ヶ月複利などがあり、一番増えるのは1ヶ月複利です。そして、この増え方の差は、利率が高ければ高いほど、運用年数が長ければ長いほど大きくなります。つまり、複利商品の増え方は、直線ではなく曲線になり、これが複利曲線といわれるものです。

 もうひとつ、同じ複利商品でも、税金の取られ方によっても増え方が違ってきます。通常、利息には20%の源泉分離課税がかかりますが、この税金がそのつど取られて増えていくものと、満期に一括で取られるものがあり、増え方は当然満期まで税金がとられない課税繰り延べ型の方が大きくなります。

 ちなみに、郵便局の定額貯金は6ヶ月複利の課税繰り延べ型、銀行の期日指定定期は1年複利の課税繰り延べ型、大口定期は単利型です。
 お金を効率的に増やしたいと考える場合は、基本は複利型でかつ課税繰り延べ型を選ぶといいでしょう。

 



 奥様の毎日の暮らしをサポートする耳より情報コーナー       後藤田潤子

税金のはなし


 与党は2006年度税制改正大綱を決定しました。
 その中でも、奥様にとって関心のあるのは、日々の暮らしに関係する所得税のアップ・お父さんの楽しみのひとつであるお酒やたばこに関わる、酒税の見直しやたばこ税の引き上げなどではないでしょうか。その中で、所得税の負担アップについて取り上げたいと思います。


所得税の負担アップ

 2006年1月から、税金を源泉徴収されるサラリーマンの場合、所得税の負担が増えます。今までは定率減税が導入されていたため、所得税の負担が軽減されていましたが、定率減税を半減することになりました。
そして翌年・2007年1月からは定率減税を廃止するので、さらなる所得税アップといえるでしょう。
 税務署に確定申告をして納税する自営業者の場合は、少し遅れて、2007年2月の確定申告定率減税が半減し、翌年・2008年の2月の確定申告で定率減税の廃止となります。

 具体的に数字でみてみましょう。

たとえば年収600万円で
奥様は専業主婦、子供さんが2人いるご家庭の場合・・・

所得税と住民税をあわせた負担額は2006年分が約28000円アップ、2007年分はさらに約28000円アップとなります。つまり2年で約56000円の増税となります。

年収800万円で
同じく奥様は専業主婦、子供さんが2人いる4人家族の場合・・・

2006年度分が約56000円のアップ、2007年度分がさらに約56000円のアップとなります。
2年で約112000円の増税です。


 そもそも定率減税をなぜ廃止の方向へもっていくかというと、景気が回復してきたからです。株価も日経平均で16000円近くになってきました。これは今年の初めには、ほとんどの人が予測していなかったことです。しかし、景気の回復にあわせて家庭へのしわ寄せ=増税となると、あとは家計を預かる奥様のやりくりにかかってきます。

 来年からは心機一転、家計簿をつけて支出管理をしたり、たばこ税の引き上げ(2006年7月頃)で主なもので1本あたり1円くらい高くなるので、健康のためにもご主人にたばこの本数を減らしてもらうようにお願いしてみたり。
 また小さいところだけをみていても増税対策としてあまり効果がないので、まだされていない方は、今加入の保険の見直しや住宅ローンの見直し、人生プランの見直しなども考えてみてはいかがでしょうか。


 


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Last modified 2006.3.9