2006 2月号 

プラネット通信

第17回 お金を貯める知恵E
FP 加藤惠子


 株式投資を行なうには分散投資が有効ですが、この分散にはいろいろな方法があります。「銘柄の分散」や「業種の分散」、「国の分散」などですが、今日は、「時間の分散」の話をしましょう。「時間の分散」とは、「投資する時期を分散する」、つまり、いっぺんに買わず「分けて買う」ということです。更に「分けて買う」やり方にも2通りあり、例えば、毎月定額で買っていくのか、又は定量ずつ買っていくのかですが、毎月同じ金額で値動きのある金融商品を買っていく方法を「ドルコスト平均法」といいます。この「ドルコスト平均法」は、定量投資より毎回の買い付けコストが安くなるとよく言われます。

 例えば、4ヶ月の間に、1,000円、1,500円、500円、1,000円と値動きした株式を、毎月10,000円ずつ買うのか、毎月10株ずつ買うのかで比較してみましょう。毎月10,000円ずつドルコスト平均法で買っていった場合は、40,000円投資して46.6株買えます。(1株当たりのコストは858.37円です。)毎月10株ずつ買っていった場合は、やはり40,000円で40株になります。(1株あたりのコストは1,000円です。)

 では、このドルコスト平均法による投資は、どんな時(どんな市場)に一番有効でしょうか?スタートの株価は1,000円、それぞれの市場で毎月10,000円ずつ6回投資し最後にその時の株価で売却します。

*******ここで右の図(1)〜(3)を、見てください*******

3つの市場で、結果的に何株買えたかを計算します。


上昇している市場では、42株買えたので、それを2,000円で売却します。⇒84,000円
 
(1) 株価が上昇している市場
株価
買える株数
1月
1,000円
10
2月
1,200円
8
3月
1,400円
7
4月
1,600円
6
5月
1,800円
6
6月
2,000円
5


変動している市場では、86株買えて、1,000円で売却します。     ⇒86,000円
 
(2) 株価が下がって上がる変動している市場

株価
買える株数
1月
1,000円
10
2月
800円
13
3月
500円
20
4月
500円
20
5月
800円
13
6月
1,000円
10


下降している市場では、何と268株買えているので、400円で売却しても⇒107,200円
 
(3) 株価がどんどん下がってしまう下降市場

株価
買える株数
1月
1,000円
10
2月
800円
13
3月
500円
20
4月
100円
100
5月
100円
100
6月
400円
25


 もうおわかりでしょう。ドルコスト平均法は「下降している市場」で最も威力を発揮します。株価がどんどん下がっていて、株式を買う気にもならないような時には、このようにコツコツと定額投資をしていくのが一番なのです。
 株価は変動しますが、買った株数は決して減りません。じっくり溜め込んで、上がった時に売る。結果的に上がらなければ損をしますが、今回の下降市場の例でも1,000円が400円でいいのですからチャンスはおおいにあるといえるでしょう。

 但し、上がり市場の時にはあまり効果が期待できません。
 そしてもうひとつ、(1)の上昇している市場より(2)の変動している市場のほうが増えていますね。上がりっぱなしよりも、下がって上がる方が増えるのです。定時定額投資においては、「 下がることも楽しみ・・・ 」ということになります 。

 



 奥様の毎日の暮らしをサポートする耳より情報コーナー       後藤田潤子

住宅火災保険と住宅総合保険の違い


 住宅の火災に備えて火災保険に入ろうと思ったとき、単なる火災保険と火災保険にプラスの補償がついた住宅総合保険というのがあるのはご存知でしょうか?
 その違いについて今回は説明していきたいと思います。
 保険で補償される範囲(各保険会社により若干の差異はあります。)

○住宅火災保険の場合

 火災・落雷・破裂・爆発・風やひょう、雪による災害というのが一般的な範囲です。
 たとえば自宅のコンロの火を消し忘れて、引火して建物が焼けた場合にこの保険でカバーされます。ただし地震による火災(地震が原因で火災が起こった場合)は、地震保険にも加入しておかないと補償されませんので注意してください。


○住宅総合保険で補償される場合
        
 上記の住宅火災保険の範囲に加えて

  • 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突・倒壊
  • 他盗難
  • 持ち出し家財の損害
  • 水災           
というのが一般的な範囲です。

 たとえば、マンションなどに住んでいて水道の水漏れにより、階下に住んでいる方の物(家財)をぬらして損害を与えてしまった場合、この住宅総合保険でカバーできます。
 家に泥棒が入ったときだけでなく、旅行に行ったときに大事な高級デジカメをうっかり落として破損してしまった・・・そういう場合でも、持ち出し家財の損害にあたるのでこの保険でカバーできます。そうすると、海外旅行に行くときに加入される海外旅行保険の中の携行品の損害補償については重複するので、金額を少額に設定しておく・・・といったように、海外旅行保険もセットプランではなくオーダーメードプランにしてムダを省きながら必要な補償に重点をおくことができます。
* 注意* 
海外旅行保険のオーダーメードプランの場合、携行品損害を0に設定することはできません。
 また、自分の敷地内に保管してある自転車や、駐輪場に停めている自転車も、この保険の賠償範囲にあたるので手厚い補償で万一の場合にも安心できますね。
 

 


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Last modified 2006.3.9