株式投資を行なうには分散投資が有効ですが、この分散にはいろいろな方法があります。「銘柄の分散」や「業種の分散」、「国の分散」などですが、今日は、「時間の分散」の話をしましょう。「時間の分散」とは、「投資する時期を分散する」、つまり、いっぺんに買わず「分けて買う」ということです。更に「分けて買う」やり方にも2通りあり、例えば、毎月定額で買っていくのか、又は定量ずつ買っていくのかですが、毎月同じ金額で値動きのある金融商品を買っていく方法を「ドルコスト平均法」といいます。この「ドルコスト平均法」は、定量投資より毎回の買い付けコストが安くなるとよく言われます。
例えば、4ヶ月の間に、1,000円、1,500円、500円、1,000円と値動きした株式を、毎月10,000円ずつ買うのか、毎月10株ずつ買うのかで比較してみましょう。毎月10,000円ずつドルコスト平均法で買っていった場合は、40,000円投資して46.6株買えます。(1株当たりのコストは858.37円です。)毎月10株ずつ買っていった場合は、やはり40,000円で40株になります。(1株あたりのコストは1,000円です。)
では、このドルコスト平均法による投資は、どんな時(どんな市場)に一番有効でしょうか?スタートの株価は1,000円、それぞれの市場で毎月10,000円ずつ6回投資し最後にその時の株価で売却します。
*******ここで右の図(1)〜(3)を、見てください*******
3つの市場で、結果的に何株買えたかを計算します。
上昇している市場では、42株買えたので、それを2,000円で売却します。⇒84,000円 |
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(1) 株価が上昇している市場
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株価
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買える株数
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1月
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1,000円
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10
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2月
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1,200円
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8
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3月
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1,400円
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7
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4月
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1,600円
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6
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5月
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1,800円
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6
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6月
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2,000円
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5
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変動している市場では、86株買えて、1,000円で売却します。 ⇒86,000円 |
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(2) 株価が下がって上がる変動している市場
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株価
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買える株数
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1月
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1,000円
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10
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2月
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800円
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13
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3月
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500円
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20
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4月
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500円
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20
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5月
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800円
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13
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6月
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1,000円
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10
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下降している市場では、何と268株買えているので、400円で売却しても⇒107,200円 |
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(3) 株価がどんどん下がってしまう下降市場
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株価
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買える株数
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1月
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1,000円
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10
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2月
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800円
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13
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3月
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500円
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20
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4月
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100円
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100
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5月
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100円
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100
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6月
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400円
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25
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もうおわかりでしょう。ドルコスト平均法は「下降している市場」で最も威力を発揮します。株価がどんどん下がっていて、株式を買う気にもならないような時には、このようにコツコツと定額投資をしていくのが一番なのです。
株価は変動しますが、買った株数は決して減りません。じっくり溜め込んで、上がった時に売る。結果的に上がらなければ損をしますが、今回の下降市場の例でも1,000円が400円でいいのですからチャンスはおおいにあるといえるでしょう。
但し、上がり市場の時にはあまり効果が期待できません。
そしてもうひとつ、(1)の上昇している市場より(2)の変動している市場のほうが増えていますね。上がりっぱなしよりも、下がって上がる方が増えるのです。定時定額投資においては、「
下がることも楽しみ・・・ 」ということになります 。
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