投資信託という商品は、専門家であるファンドマネージャーにその運用を託し、その運用結果である分配金を投資家が受取る金融商品です。この分配金は、通常そのファンドの決算期ごとに出てきますが、その分配方法には大きく3つあります。
- 分配型・・・分配金がその都度現金で支払われます。支払われる際には、20%の源泉税がかかります。
- 再投資型・・・収益分配を行ないますが、源泉税を引かれたあとの分配金を再度、資産に組み込んで運用するタイプです。この場合は、複利効果が期待できます。
- 無分配型・・・信託期間中や所定の期間中は分配金がありません。分配をする際には源泉税がかかりますが、この場合は、税金を引かれずに運用していきますので、運用効率は一番いいです。税金は最後にまとめて支払います。
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分配金が出てくる場合、通常は年2回の決算が多いので、分配金も年2回ということになるのですが、最近、証券会社や銀行でよく売れているのは、この分配金が年に数回出てくるタイプで、特に人気のあるのが「毎月分配型投資信託」です。中でもK投資顧問のGファンドは残高がどんどん増え、超巨艦ファンドになっているということです。これは毎月決算をするために、その都度分配金が出てくるという商品なのですが、毎月定期的に一定額の分配金が受け取れることが人気の要因となっているようです。
毎月分配金を受けとれることが注目されているわけですが、では果たして、このファンドは一体どのような商品なのでしょうか?
まず、運用対象ですが、比較的格付けの高い先進諸国の国債や政府および政府機関などが発行している債券で運用されています。つまり、この投資信託は債券を中心とした債券型のファンドといえます。分配金の原資となる、組み込まれている債券の利払いは年に2回又は1回ですが、このファンドは投資家に毎月分配しなければならないので、そのための資金を確保しておく必要があります。これが「分配準備積立金」です。この積立金がきちんとあることによって、毎月安定して分配金が出てくるのです。毎月分配型の投資信託は最近多く販売されていますが、この分配準備積立金がどのくらいあるかは選択のポイントになります。
ファンドの資産から定期的に分配金が捻出され、更に分配金が出てくるたびに毎回源泉税が引かれる。これは、運用の効率性から見るとかなり非効率であると言わざるを得ません。分配金が課税されずに再投資されることが、運用の効率性からみれば一番いい方法です。
では、何故このファンドがこれほどまでに人気があるのでしょうか?「毎月出てくる分配金の魅力」でしょうか?1万口あたりの分配金が40円、基準価格が8,000円として計算すると年利6%程度ですから確かに悪くはありません。
でも、この分配金は実際の運用収益を反映したものではなく、ファンドの身を削って捻出しているものであること、元本保証はないこと、為替リスクがあるということ、これらをしっかり認識して投資すべきです。 |