直接金融の金融商品である株式や債券を一つのファンドに多数組み込んだ金融商品に、「証券投資信託」があります。多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、それを運用のプロであるファンドマネージャーが債券や株式などで運用し、その運用結果に応じて、投資家に収益を分配するという金融商品です。もちろん元本保証はありませんが、分散投資されているため、個別銘柄への投資よりはリスクは少ないといえます。
投資信託のしくみを図式化しますと、以下のようになります。
投資信託のメリットとしては、
- 小口資金でも分散投資が可能(1万円から購入できます。)
- プロ(運用の専門家)に任せることができる
- 種類が豊富
- 収益が期待できる
- 金融機関の破綻に強い金融商品である(顧客の資産は、信託銀行において銀行の資産とは分けて管理されることになっています。)
などがあります。ただし、価格変動のリスクはあり、又、それなりのコストもかかります。預貯金以外の金融商品に興味はあるけれど、株式や債券への個別投資は難しいし、どのように分散したらいいかわからない、運用は専門家に任せたいという人には向いている金融商品といえます。でも星の数ほどある投資信託を選ぶこと自体も大変なことに違いはありません。ということで、投資信託を選ぶポイントを整理してみましょう。
◇まず、投資信託には、大きく3つの種類があります。
公社債投資信託とは?
国債など公社債を中心に運用し、株式には全く投資しない投資信託です。具体的には、MMFやMRF、中期国債ファンド、長期公社債投信、短期公社債投信などがあります。
株式投資信託とは?
株式を組み入れることが可能な投資信託です。債券型の投資信託で現在は株式が入っていなくても、将来的に入れることが可能なものは株式投資信託に分類されることになっています。
不動産投資信託とは?
投資家から集めた資金で不動産を購入し、そこから生じる賃料や売却益が投資家に分配される投資信託です。2000年の改正投資信託法により、不動産も運用対象として認められるようになってできた商品です。
◇投資信託の価格はどのように決まるのでしょうか?
投資信託では、ファンドの中にある株式や債券などを毎日時価評価し、そこから運用にかかる経費などを引いて、口数で割ったものを基準価格として毎日発表しています。この基準価格が購入したり売却したりする時の価格になります。中に組み込まれている金融商品が上がれば価格も上がり、下がれば価格も下がるということになります。購入したときの基準価格(個別元本)と現在の基準価格(時価)の差が差損益になります。
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