2007 5月号 

プラネット通信

第31回 リスクマネジメント その8
FP 加藤惠子

 先日、私の友人宅で盗難事故がありました。盗まれたものは現金と貴金属でしたが、この被害は加入している火災保険(住宅綜合保険)で補償されました。実は私も、今年の初め、外出中にうっかりデジカメを落としてレンズを曲げてしまい、それが原因で操作ができなくなってしまいました。この被害も、加入していた火災保険(個人財産総合保険)に特約で付けていた「持ち出し家財の損害」で補償されました。友人は事故のあと、すぐに火災保険で請求できることに気付いたのですが、私は保険の仕事を専門としているにもかかわらず、請求できると気付いたのは修理見積もりをもらってから、更にしばらくたってからでした。他の方の話を聞くと、「これは保険で出る?出ない?」とすぐに考える習慣になっているのですが、自分のこととなると全くだめですね。仕事柄、様々なケースを考え万全にかけてはいるのですが・・・

 このように、「保険」は加入していても、何かあった時にきちんと保険会社に「請求」しなければ「保険金」を受け取ることはできません。盗難事故であれ、傷害事故であれ、死亡事故であれ、保険会社の方はその事実を知ることができないので、契約者や被保険者、又は受取人が事故を報告し請求する必要があるのです。通常は、担当の募集人や代理店がサポートしますが、募集人・代理店にも連絡がなく、そのため本来支払われるべき保険金が請求されず支払われないケースはかなりあるようです。前述の事故に関しても、「盗難」⇒「火災保険」、「デジカメの損害」⇒「火災保険」の発想が起こらなければ事故はないことになりますし、又わずかな金額の請求であれば、手間を考えて通り過ぎてしまうことは多いのではないでしょうか?

 生命保険に関しても、日頃から契約内容をきちんと確認して、どういう時に保険金が出るのかを把握しておくことが大切です。例えば、入院保険で「手術」に関しては入院しなくても「手術給付金」がもらえるとか、入院して手術をしたら、「入院給付金」と「手術給付金」両方もらえるとか、高度障害になったら死亡保険金が請求できるとか等、契約内容にもよりますが、自分自身のことですから「人任せ」はよくありません。

  今回の不払い問題は、「保険金の請求を受けたのに支払わなかった」(契約不履行)ではなく、「保険金の請求がなかったので支払わなかった」「保険会社の方から請求を促さなかった」ことで金融庁から叱られているわけです。保険会社は商売で保険という商品を売っているので、もらっている保険料に対応する保険金があるのであれば、請求がなくてもきちんと払う努力をしなさいということなのです。
 でも、「保険」は「契約」ですから、契約者は保険会社の「お客様」であるかもしれませんが、契約に関しては「契約の当事者」の一方であること、保険料を払うことによって持っている権利は行使しなければ機能しないということを忘れないようにしましょう。そして、このことは「保険に限らず・・・」なのです。

 



 奥様の毎日の暮らしをサポートする耳より情報コーナー     FP 後藤田潤子


ガーデニング

 ガーデニングとは、簡単に言えば庭いじり全般。植物を趣味で育てることをいいますが、その効果や他国のガーデニング事情をご紹介します。

1.緑(植物)の効用・・・3つの効果から

 物理的な効果として、隣家との境など目隠しをしながら圧迫感を与えない効果があります。生物的効果としては、たとえばヨーロッパの窓辺にゼラニウムの赤い花が置かれているのをご存知でしょうか?これは、ただ窓辺を飾っているだけでなく、防虫のためにゼラニウムが置かれているのです。心理的効果としては、なんといってもリラックス効果。

 ちょうど今は新緑の美しい季節ですが、木々の葉の緑色は心を落ち着かせてくれます。

        

2.ガーデニングの効果

 「病は気から」という言葉がありますが、その言葉どおり、楽しく暮らすのが健康に良いのです。ガーデニングが好きな方は、その楽しさを体感されていることと思いますが、アメリカでは、現代医学の力が及ばない患者の心の問題を癒すために、植物の力や音楽や絵画を用いる試みがあり、それらは園芸療法、芸術療法と呼ばれています。

 園芸療法の効果としては、不安や緊張がほぐれ、フラストレーションに耐えられるようになる。創造的な表現ができるようになる。(物事に対して)計画・順位・

 判断ができるようになる。自分の行動やその効果に対する自己評価ができるようになるなどの点から評価されています。

3.イギリスでのガーデニング事情

 英国人は園芸好きで知られていますが、高齢化で愛好家が増える一方、若年層にも「ガーデニング」への関心が広がっています。そのため、ガーデニングが一大エンターテインメントになっており、テレビ局はゴールデンタイムにガーデニング番組を放送しています。

 園芸用品や植木などのガーデニング市場の規模は1998年以来年率5%で拡大しており2004年の市場規模は約7600億円前後、2008年には約9600億円に達する見通しです。(ヴァーディクト・アナリスト社の資料より)

 このガーデニングブームを後押しする背景には、イギリスでの住宅ブームがあります。イギリスではガーデニングは不動産の価値を高めるという意識を持っている人が多く、住み替えの際に、少しでも高い値段で転売できるようにガーデニングに力を入れる人が増えているようです。日本にはまだない中古物件の評価方法ですが、今後こういった評価方法が確立されれば日本でもガーデニングブームが更に高まることでしょう。



 


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Last modified 2007.8.6